ホイールの設計講座 (11) ホイール設計くん スポーク長とスポークテンションの計算結果

スポーク

前回までの講座で『ホイール設計くん』にすべての情報を入力できました。
今回の講座では計算結果であるスポーク長,スポークテンションについて解説します。

スポーク長とスポークテンション

以下は一例ですが『ホイール設計くん』では以下の3つの計算結果が表示されます。
・スポーク長:ドライブ側(DS,フリー側), 反ドライブ側(NDS, 反フリー側)それぞれ
・スポークテンション:ドライブ側(DS,フリー側), 反ドライブ側(NDS, 反フリー側)がどちらも表示されるので,スポークテンションメーターをお持ちの場合は,この計算結果を目標に組んでいけばホイールのセンターを出せます。
・スポークテンション比:これはどちらかというと組み方の検討のときに便利な値ですが,ドライブ側(DS)を100としたときに反ドライブ側(NDS側)をどれぐらい張れるか,という値が表示されます。以下の例ではDS : NDS = 100 : 61.5ですので,そこそこNDS側を張ることができています。

それでは実例を挙げていきましょう。たとえば,これ適当にヨンヨン組で組んだ32Hのホイールです。こんな感じの計算結果が表示されます。

計算結果の欄にスポーク長が表示されますので,具体的にどんな長さのスポークを用意すればよいかすぐ分かります。念のためほかのスポーク長計算サイトとも比較してみてください。

また,ヨンロク組の場合はこんな感じになります。

この例は比較的,NDS側のスポークテンションを高めにできている「良い例」でしたが,組むのが難しそうな例についても載せてみましょう。

この例ではリムのオフセットセンター量を0mmに変更しています。
先ほどの例では3mmありましたが,それが0mmになると一気にスポークテンション比が61.5%から48.9%まで低下しています。NDS側がここまでテンションが低いとかなりユルユルの印象。
実際組んでる方だとあるあるですが,「あっという間にNDS側だけテンションが上限いっぱいの586Nまで上がってしまっているのに,DS側はテンションが上がり切っていない。これ以上DS側のニップルを締めていくとNDS側もテンションが上がっていって,ホイールがセンターより左に寄ってしまう」という展開ですね。
ほんとオフセットセンターリム(非対称リム)は我々ホイールビルダーにとっての救世主。
左右対称リムはホイールビルダー泣かせですよね。

ここまでがスポーク長計算結果・スポークテンション計算結果欄の使い方です。

次回は『ホイール設計くん』のホイール展開図,側面図表示機能について解説していきます。

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